ここは異界の地
異界と言ってもここは人間にとって楽園ではない魔の世界
そんな場所に一人の叫び声が聞こえる
「いつもいつも・・・・今回こそは許さないゾ!!!」
「なんだ戻ってきていたとはな」
その人物は部屋を開けると同時に持ち主に怒鳴りつける。
部屋と言ってもドアはなく空間も歪んでいるので入れるか入れないかは持ち主次第なのだが
相手がすんなり入れたという事は持ち主が招くことを承諾した事になる。
「まったく主はマナーという者を知らんな
ならいつもの様にゲームで決着付けるというのはどうだ?」
金髪の長髪をなびかせながら余裕な表情で相手を見る。彼女の名は通称ジョーカー
「マナーに関して貴公に言われたくなイ!!」
血管が切れんばかりに怒り狂う相手を気にする事無く女は机に置かれた酒を一気に飲み干す
「して主が今回求める望みと今回犠牲にする対価はなんだ?」
魔がつく者同士で賭け事をしても余り影響がないのは
お互いに長命であり力に長けていることも大きいのだろう
ただしどんな世界でも同じように力あるものはごく一部なのはこちらの世界も同じこと。
だが今回それを対価にしてくる大きな賭けを持ち替えてきた。
「貴公の力を封じたい が 負ければ某の持つすべての力と引き換えにするがいイ」
「なんとまぁ傲慢な願いだ」
とむしろ愉快そうに彼女は笑う
「互いの命を懸けるか?・・・もしくはそれ相応になるのだろうな」
「それでも構わなイ!!」
眉間に筋を立てたまま怒り覚めやらぬ相手は承諾する。
「なら交渉成立だ。 それなら早速ゲームに移るが主は何がお望みかな?
ボードゲーム、トランプ、チェス・・・あと最近手に入れた・・・」
「力で勝負とはいかがカ」
「主の頭じゃ頭脳プレイは些かハードすぎたか?
なら体を使った勝負でも構わぬが もちろんゲームゆえ戦闘という形じゃルール不足だぞ」
「っ!!貴公は相変わらず失礼極まりないナ!!
いいだろうその頭脳勝負受けて立ツ」
「なら謎かけにでもするかな…3問中半分正解すれば主の勝ちとしよう
せっかちな主にはそれぐらいの問題数で十分だろう」
そう言ってぱちんと指を鳴らすと相手用の椅子と机が用意され机にはグラスに飲物まで用意されている。
「無駄な気遣いは不要ダ」
信用などないのか相手はジョーカーのもてなしを全力で拒否する
そんな相手の行動を気にする事もなく彼女は酒に舌鼓している
「まぁ使うか使わぬかは主に任せるが…我もさっさと終わらせたいゆえ始めるとするかイフ」
イフと呼ばれた相手は怒りの目を静かに湛えたまま強く頷いた。